家に帰ってからいろいろな事が頭をよぎった
矢吹くんのお父さんは、ＵＦＯ職人
お母さんは、傷だらけ
？？
一体なんなんだろうか
明日、学校で矢吹くんにいろいろ聞いてみよう
そう決心して眠りについた・・・
ピンポーン！
「おはよー」
矢吹くんが迎えにきた
思い切って昨日のことを聞いてみた
「矢吹くんのお父さん、ＵＦＯ作ってんの？」
「・・・」
矢吹くんは、下を向いたまま一言もしゃべろうとはしない
「矢吹くんの、マミー手首に傷があるね？」
右から左へ聞き流してるようだ
あまりに沈黙を続ける、矢吹くんを怒鳴りつけてしまった
「一人で生きてんじゃね～ぞ！」
「大人になったら、猪木の赤いタオル一緒に巻くのが夢だったんじゃねえのか！」
「黙ってたら、クロマティーもよそに行っちゃうよ！」
あまりに熱くなった思いが、矢吹くんの心の壁を打ち破いた
「・・・わかった、全部話す」
ようやく、決心がついたようで全てを話してくれることになった
「お父さんが作ってんのは、ＵＦＯじゃないよ
宇宙戦艦ヤマトのプラモデルだよ・・・
赤のペンキもあっただろ」
「・・・」
「マミーの手首の傷は
リストカット常習者だからだよ」
リストカットの意味がわからなかったので
プラモデルを手伝ってて怪我をしたと解釈した
説明してもらったが、まだ納得いかないことがあった
数分、時が流れた
その、沈黙の間
僕と矢吹くんのいろいろな思いが走馬灯のように頭の中を駆けめぐった
矢吹くんが重い口を開いた
「遠い親戚なんだ・・・」
続く・・・
