競馬マニアック博物館

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未確認飛行物体発見no.8

帰宅した僕は、真っ先に母親に話をした
「矢吹くんの、お父さんが首を吊ってボタボタ、うんちが落ちてきて・・・
矢吹くんの、お母さんが銀色のヘルメットかぶって、スーツを着てどっかへ行っちゃった」
息もつかせぬ勢いで話したのだ

それなのに、母は横になりながらテレビを見ているのであった

僕は頭にきてしまい、スイッチを切った
「殺人事件かもしれないんだよ
テレビなんか見てんじゃないよ!」

母は言った
「タイマンテレフォンが1番好きなのわかってるでしょう!」
そう言ってテレビのスイッチを入れた

そして、僕は近くの交番へ飛び込んだのであった

それから、パトカーに乗り矢吹くん家へ向かった
部屋に入って、警察官がつぶやいた
「自殺ではないね、頭に鈍器で殴られたような痕があるしな」

その後、警察署の取調室に入って事情聴取が始まった
たくさんのお菓子
たくさんのジュース

担当の刑事さんは、白髪だらけで優しい感じのおじいさんだった
「先生に頼まれて、矢吹くん家に行ったんだよね?」
「うん」
「その時に、矢吹くんのおじさんとおばさんがいたんだよね?」
「うん」
「そのとき、おじさんは死んでたんだよね」
「うん」
「それで、おばさんのほうが銀色のかっこして出てったわけね・・・」
「うん」

何度も同じ様な質問に飽きてきてしまった
そして
「じいじ、野球見せて欲しい
テレビ始まっちゃたからさ
その後だったらさ、どんな質問でも答えるよ
それと、天丼頼んでおいてよ」

「あはは
わかった、わかった」

その時、思った
これぞ、まさしく王様だと
僕の言うこと何でも聞いてくれるんだな・・・

取調室を出た左側の部屋が休憩室となった
どこからか、テレビを持ってきてくれて
菊池桃子に似た婦人警官が、面倒を見てくれることになった

時刻は8時近くになっていた
伝統の1戦巨人対阪神戦は、5回になっていた
しばらくして、天丼が届いたのだが
心の中である物が欲しくそわそわしていたのだ

婦人警官がつぶやいた
「冷めないうちに天丼食べなさい・・・」

そして、おもいっきり言い放った
「あのな、天丼の前に風船だよ風船
いますぐ買いに行かせて!
誰でもいい、ボスでもいい、なんなら山さんでもいいから」
ジーパンはお気に入りの刑事だったため名前を出さなかった

すると
婦人警官は「ちょっと待ってて」と言って部屋を出て行った

ついに7回に入ってしまった
巨人の攻撃、それも2アウト
このバッターが倒れると阪神の攻撃になってしまう
一刻も早く風船を容易してくれ~!
そんな熱い思いが込み上げてきたときに
婦人警官が戻ってきたのだった

袋に入ったたくさんの風船

「桃ちゃんよ~、早くふくらませてくれ
掛布の背番号は31
最低でも31個飛ばすからさ」

こんなワガママ三昧してる頃に矢吹くんが行方不明になったのであった