競馬マニアック博物館

競馬中心の内容です。サラブレッドカード、トレーディングカード、マニアが喜ぶネタや珍品も紹介してます。

小さな幸せって、こうゆうことかもしれない

わたしが2度目の思春期の頃
ひたすら応援してくれた女性がいた

その名は「おはぎババア」

勤め先の掃除係の女性こそが「おはぎババア」なのだ

自分より10個も歳をとってるのだが、小柄でチャーミングな人なのだ
話によると20歳で子供ができ、その直後に旦那が蒸発
女手一つで子を育ててきたらしい
ちなみに、その息子27歳のニート
働いたこと一切なし

その頃、ある資格を取得するたびに
仕事帰りに新宿にある学校へ通っていた
仕事もうまくいかず、疲れもあったせいか授業について行けなくなってた
イライラと焦りが体中駆け巡り
何度も倒れそうになった

そんな時に夜の新宿でバッタリ会ったのがおはぎババアである
「なに冴えない顔してんのよ、おはぎ食べる?」

夜の新宿は人、人、人
波のように人が行き来している
もみくちゃになりながら歩いて食べたおはぎ
アルタ前のガードレールに腰掛け食べたおはぎ
ドトールコーヒーで人の目を気にしながら食べたおはぎ

小さな幸せって、こうゆうことかもしれない

それから、資格を取得するまでに数回
おはぎを食べた

そして先日、引越の話を聞いたのだ
マグロの一本釣りをするために青森へ行くと
なんだか嘘臭いのだが・・・

そして世話になった、お礼を込めて鍋料理の店へ行ってきたのだ

向かい合う席だったのだが、なんだか照れくさい
外でおはぎ食ってたほうが良かったなって思ったりもして
それにしても、引越しか寂しくなるな・・・
あの時のおはぎ美味かったな・・・

いろいろな思い出が、頭の中を駆けめぐり
なんだか、悲しくなってきた

言葉がでない
震えながら、力いっぱい絞りあげた
小さな声で呟いた
「好きなの頼んでよ・・・」

すると、おはぎババアが
「お腹がいっぱいになればいいから1番安いのでいいよ」
と言われた

目頭が熱くなった
「やっぱり古風な人だな、気使ってくれてんだな・・・」

そして店員を呼んで、おもいっきり叫んだ
「最高級の具材2人分用意して! give to me comon!」

俺流の優しさ、つらぬきの美学