風の強い夕暮れ時
北野武に似たおじさんに出会った。
店内にある柱時計が１７時を指していた。
そこは、西調布駅から下車5分ほどのラーメン屋である。
券売機で、たけしが券を買う。
その直後わたしも券を買った。
古びたラジカセから流れるレディオの音。
湯気で曇った厨房で鉢巻をした職人さんが口ずさむ。
時に静かに、そして激しく、そして可憐に、そしてノスタルジックに。
室内のジメジメ感が、純白のドレスシャツを突き刺し肌に触れたとおもふた時に
注文したラーメンが目の前に出された
が！
たけしが怒鳴った。
「おいらのほうが先にたのんだんだよ、おかしくねえか。」
小心者のわたしがお先にどうぞと言った瞬間
「やるじゃねえか、あんちゃん」
そう言って、やさしい笑みを浮かべた。
その後、店内満席状態の中
競馬予想に花が咲いた。
帰り際、おいら会社の社長やってるから困ったら連絡くれと携帯番号をレシートに書いてくれた。
しかし、駐車場に止まっていた車はオンボロの旧型日産マーチだった。
夢芝居なのか・・・