投資の世界は血も涙もない
信じるのは己のみ
行けばわかるさ
狂気の世界へ
90年代バブル絶頂期に兜町のアデランスと呼ばれていた、投資家のカツラのかっちゃんのセリフである。
酒が入ると必ずこの文言を呟いていた。
最近この言葉を背に書いたオリジナルTシャツをあるアパレル会社に頼み作ってもらった。
白地に真っ赤な文字、さすがに外で着るには勇気がいるので寝間着にした。
しかし我ながらとんでもないうっかりをしてしまった。
深夜0時をまわる頃、小腹が空いて眠れない。
冷蔵庫や水場の戸棚を開け食べ物を探すが何もない。
しゃあない、コンビニに行くか。
そんなわけでうっかりこのTシャツ姿で外に出てしまった。
その日は雨だった。
ボロボロのビニール傘を差し、下駄を履き早足でコンビニに向かったのだが。
入り口で若い女性が雨に打たれ泣きじゃくっていた。
ズブ濡れになりながら誰かと電話をしているようだ。
スマホの画面の灯りが悲しかった。
小さな鳴き声が徐々に大きくなり、何だかほっとけなかった。
タバコに火を着けついつい、聞き耳を立ててしまった。
かすかに聞こえる、オンキヨーと電車事故のワード。
歩きスマホ中の電車事故である。
しかも株取引。
後日、カツラのかっちゃんにその話をしたところ上場廃止が決まっている株を持っているとロクなことがないと言っていた。
訳有り株の大半はデタラメ企業。
証券取引所に関してはデタラメ組織。
これだから昔から株は怖いと一般市民は手を出さなかったのだが今は違う。
アベノミクスの恩恵でウハウハだった者もそろそろ次の一手を考える時期へ来たと、かつらのカッチャン。
投資家が自らの命を絶つまでにこんな状態になるとも聞いた。
狂気染みた荒れた生活から、生きてはいるが死んだような夢遊病者的な言動、行動。
そして思考回路が停止した後、躊躇なく踏切に飛び込み、「オンキヨー!」と怨みのある企業の名を叫びあの世へ行くという。
今回の話を聞き純粋に思ったのが投資家は簡単に投資先から裏切られるんだなと、なんだか不思議に思いました。
株で命を取られるなどあってはならない、死んでしまおうなんて思わないで誰かに一度相談しましょう。
費用はかかりますが弁護士に頼むのもありなのではないでしょうか。