涙のキン消し
あの娘は白血病。
ガリガリに痩せて髪の毛も抜けて
それでも生きるために辛い治療に励んでる。
僕はこのキンケシを眺めるたび、彼女の優しさとやらしさに胸が熱くなる。
死なないでくれ。
小学6年生の秋
彼女が家に遊びに来た。
初めてのガールフレンドを部屋に招待しキン肉マンのグッズを自慢気に披露した。
しかし女子のほうが精神的に大人。
「キン肉マンはいいからキンタマ見せろ!」
僕は下を向きながらこの消しゴム達で遊ぶふりをした。
あれから長い歳月を経て彼女と再会したのだがラメ入りの帽子から覗く笑顔があまりに可愛いらしく、それでいて悲しそうで、何度でもキンたまに見せてやる!
そんな気持ちになった。
死ぬな!生きるんだ!