「天皇賞(春)・G1」(5月1日、京都)
3度目のG1制覇へギアを上げてきた。最強世代の呼び声高い4歳馬のトップホースが27日、栗東坂路で好調をアピール。淀の長丁場へ向けて、スピードとスタミナを兼備するローズキングダムが軽快にはじけた。今年は2戦して3着2回と、ライバルに後れを取った感があるが、春の盾V7がかかる主戦の武豊は逆転に力を込める。名手のエスコートで本来の力を発揮し、頂点をつかむ。
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世代トップの実績馬が軽快に駆けた。ローズキングダムは栗東坂路で単走追い。4F52秒1‐38秒3‐13秒0をマークした。強めに追われたラストはそれこそ真一文字。力のいるチップを蹴散らし、数字以上の伸びだった。「“ラスト1Fを強めに伸ばしてほしい”という指示。いい感じでした。時計も良かったし、動きも良かった」。感触を確かめた武豊は納得の表情を見せる。
状態の良さが手綱越しに伝わる。「調子の悪いときは右へささる馬。きょうはそんな面も見せなかったので。体調は良さそう」。前走の日経賞にも復調の手応えをつかんでいる。「着順は同じでも、内容や馬の感じは良くなったと思った。戻ってきたな、という感じはある」。繰り上がりだったとはいえ、ジャパンCの優勝馬だ。疝痛の影響から有馬記念は出走取消となり、仕切り直しの日経新春杯は3着。2カ月半ぶりの前走も3着に敗れたが、名手の評価は揺るがない。「強い世代の2歳チャンピオン。ジャパンCも勝っているから。前走は勝ち馬に完敗だったけど、この馬もプラスになる面がある。あの着差が決定的とは思わない」。逆転Vに力を込める。
3200メートルの長丁場。未経験とはいえ、菊花賞2着の実績が下地としてある。「菊花賞は折り合いもついた。ラストは内へもたれて、本来の伸びはなかったけど、距離は十分こなせるタイプ」と手応えを口にした。
ジョッキーの判断力も問われる舞台だ。春6勝に秋5勝と、天皇賞最多勝を記録する名手が、春の盾7勝目に挑む。「重みをすごく感じる。スピードとスタミナが必要なレース。強い馬じゃないと勝てない」。ユタカ自身も、ゆかりのあるメジロ牧場の解散が伝えられたばかり。“父子3代天皇賞制覇”を成し遂げた名馬を挙げて、レースの偉大さを表現する。「マックイーンの存在は大きい。長い距離であれほど圧倒的に強い存在はなかったからね。マイルでも走ったと思うよ。“安田記念に使ったら?”って言ったぐらいだから」。朝日杯FS優勝から菊花賞2着と、ローズキングダムの持つオールマイティーな一面を名馬と重ね合わせた。
最強世代のジャパンC優勝馬として譲れない。「今度こそ、という気持ちでいる。この馬を天皇賞馬にしたい」。王位よ、再び‐。盾男が伝統の一戦に奪回を誓う。
武豊が虎視眈々と1発を狙ってるようです。伝統の長距離マラソンが得意なジョッキーなので期待度大です。
最近のローズキングダムは、母と同じような善戦止まりで歯がゆいレースが続いていますが距離延長であっさり勝つシーンが見られるかもしれません。