拝啓
久子さんお元気ですか?
あなたと過ごした1993年。
腰まである長い黒髪、透き通る白い肌、大きな瞳に、小ぶりな唇、対称的に下の唇は拳が入りそうなほど大ぶりだ。
思い返すと、今週のお題「あったか~い」ヒサコボンバーが出走するたびに貴方を思いながらマークシートを赤く塗りました。
貴方の真っ赤なルージュで塗られた唇をペロリンチョしたあの日の事を思い出すたび、海綿体に血が溜まり海援隊の贈る言葉を口ずさんでしまいます。
彼女は人気者で数々の男共が寄ってきた。
金をちらつかせ、金玉をちらつかせ、政界のドンと呼ばれる男と密接な関係であった。
ドMで有名なその男は夜な夜な彼女にアックスボンバーをリクエスト。
目を閉じるとヒサコボンバーが力強い走りで他馬を突き放す。
目を閉じると久子さんの愛くるしい笑顔。
でも、彼女はもういない。
ヒサコボンバーが引退した数年後、風の噂で彼女が波に流されたと聞いた。
あの東日本大震災だ。