報道 皐月賞ドキュメント

皐月賞が終わった。
優勝馬はオルフェーヴルだ。
熱気を冷やすが如く冷たい風が吹き荒れる武蔵の国、府中。
競馬軍団が散り破れ、街もいつもの静けさを取り戻した。
「池添！池添！」と叫んだ大工らしき若い衆と今さっきまで、酒を喰らい予想紙をも喰らい噛みちぎった。

直線、真っ赤な炎が燃えるようなとてつもない執念の塊とも言えるパワーを感じた。
馬ではない、私のまわりだ！
「池添！池添！いけ～ぞえ～！」

押される、私の胸中と言えば、「カツハルどこだ～」

喉仏を石で潰したような鈍く太い声が私の脳髄を叩きのめす
「池添、池添！よっしゃ、よっしゃ、よし！」

真後ろの人間のボデーが、私の背中を刺激する。
「巻き添え、巻き添え、巻き添え」、心の中で叫び続けた。

そんなこんなで、馬券はハズレ。
想定内の出来事である。
その後、「これけっこう付くよね～」と、競馬フリーク同士の暗黙の挨拶が始まり、意気投合して飲み屋さんへ。
こちらは、想定外。

しかし、本日から発売されたWIN５は、ただちに当たるわけでもなく到底当たらぬ馬券であると思う。