バッチリ馬券を的中させ風呂上がりに飲むビールは格別な味がする。
いや、正確に言うと風呂がないので桶に湯を溜めそこでタオルを絞り上げ股間とワキの下を拭くのが私のストロングスタイルだ。
悲しさや虚しさよりも皮かぶりの息子の恥垢(通称ちんかす)をどうすれば綺麗に取れるか試行錯誤する日々だが若い頃と比べると垢の量がぐんと減った。
それが終わればPFASで汚染された水をガブ飲みし、明日のレース予想に精を出す。のだが、時折セイスゥ(正式名称、精子)を出してしまいティンポーを出したまま大の字で寝てしまう事がある。
人それぞれの人生、または珍生、様々な事がある。
楽しい日もあれば悲しい日もあり、いっそのこと死んでしおう、そんな事を考えてしまも事もあるのだが走るために生まれてきたサラブレッドを見ていると泣いてられない、力強く生きて行こう、随分と元気をもらった。
しかし、大好きな競馬を見ていてもどうにも元気になれない出来事が1度だけあった。
祖父から父、そして私へと代々受け付がれてきた大事な書物を無くしてしまった時だ。
家宝とも言える大事な物が家で無くなるとは、泥棒が入った可能性も無きにしもあらず、しかし警察に相談するのも悩ましく、そしてモヤモヤとした思春期のような日々が過ぎていった。
それから春の菜の花の匂いを感じ、梅雨空の下の紫陽花を堪能し、焼け付く日差しに耐える向日葵から元気をもらい黄色いイチョウに埋もれた東京競馬場の南門前で忘れていた記憶が蘇った。
あの日、友人が訪ねて来たので咄嗟にテレビの後ろに投げ入れたのを思い出した。
先祖代々受け継がれてきた物だが恥ずかしい物はそろそろ処分しなければならんな。
マドンナ文庫
青春プレイ
今週のお題「捨てたい物」