オヤジに連れられ後楽園球場で見たジャイアンツナイン。
相手はヤクルトスワローズだった。
野球のルールも知らずただただビール売りの女性の太ももを目で追った。
太ももチェックも飽きた頃、オーロラビジョンに映り出されたカッコいい男に胸を鷲掴みにされた。
そう、原辰徳だ。
若大将、エイトマンとも呼ばれとにかくカリスマ性があった。
その日を境に野球一色の生活になった。
あの頃集めていたプロ野球チップスカードはもう手元にない。
オヤジの仕事の都合で何度も引っ越しを繰り返し、その都度母親にコレクションを捨てられた。
大人になりカルビープロ野球チップスカード中毒という病気にかかったこともあった。
近くの店のチップスを買い占め、高価なカードを単品で購入し、盗んだバイクで走り出したりはしないがとにかく荒れた。
医者にはカルビープロ野球チップスカード中毒症と診断され、禁断症状が出ないようにサラブレッドカードを薦められたこともあった。
今一番欲しいアニマルとブーマーのカード。
いくつになっても好きな物は好き。