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名門 メジロ牧場解散

名門オーナー牧場の灯が消える-。史上初の牝馬3冠を達成したメジロラモーヌなど数々のGI馬を生産、所有してきた有限会社メジロ牧場(北海道虻田郡洞爺湖町)が、5月下旬までに解散することがわかった。

同牧場の岩崎伸道専務が26日、本紙の取材に対して「解散の方向で動いていることは間違いありません」と認めたもの。原因について、岩崎専務は「成績不振と、競走馬の賞金で牧場を運営していくことに限界を感じたためです。まだ借金もありませんし、誰にも迷惑をかけないきれいな形で解散しようということになりました」とコメントした。

関係者によると今夏にデビューする2歳馬は大半が売却済みだが、JRA所属の現役馬36頭や、1歳馬、繁殖牝馬の今後に関しては未定。洞爺湖町北海道伊達市に所有している牧場については、「何らかの形で有効活用」(同専務)される見込み。

メジロ牧場は1967年、馬主の北野豊吉氏が北海道伊達市に設立。吉田善哉氏の社台ファーム和田共弘氏のシンボリ牧場と並んでオーナーブリーダーの草分け的存在だった。開業当初から続々と重賞ウイナーを送り出し、82年にはメジロティターン天皇賞・秋を制覇。91年にはティターンの産駒、メジロマックイーン(所有名義はメジロ商事株式会社、生産は吉田堅氏)が天皇賞・春を勝ち、祖父メジロアサマ(70年天皇賞・秋)からの「父子三代天皇賞制覇」の偉業を達成した。86年にはメジロラモーヌ桜花賞オークスエリザベス女王杯を勝ち、史上初となる牝馬3冠に輝いた。90年代初頭にはメジロマックイーンメジロライアンメジロパーマーの“同期三羽がらす”がGIを席巻、競馬ブームを牽引する存在だった。

しかし、近年は成績が低迷。GI勝利は00年朝日杯3歳S(メジロベイリー)、重賞勝ちは06年小倉大賞典メジロマイヤー)を最後に遠ざかり、今年は3勝(25日現在)にとどまっていた。

メジロドーベルなど有力馬を数多く管理してきた大久保洋吉調教師は、「2、3年前から経営が悪化しているとは聞いていた。これも時代の流れだから仕方ないのかもしれないが、メジロの名が消えていくのは寂しい」と肩を落としていた。

◆“メジロ”冠のGⅠ級勝ち馬◆

メジロボサツ  65年朝日杯3歳S

メジロアサマ  70年安田記念天皇賞(秋)

メジロムサシ  71年天皇賞(春)安田記念

メジロティターン  82年天皇賞(秋)

メジロデュレン  86年菊花賞、87年有馬記念

メジロラモーヌ  86年桜花賞オークスエリザベス女王杯

メジロマックイーン 90年菊花賞、91・92年天皇賞(春)、93年宝塚記念

メジロライアン  91年宝塚記念

メジロパーマー  92年宝塚記念有馬記念

メジロドーベル  96年阪神3歳牝馬S、97年オークス秋華賞

98・99年エリザベス女王杯

メジロブライト  98年天皇賞(春)

メジロベイリー  00年朝日杯3歳S


競馬をやらない人でも、何頭かの名前をご存知の方も多いのではないでしょうか。
先日の皐月賞勝馬オルフェーヴルの母父がメジロマックイーン、脈々と生き続けている血を代々継いでいってほしいものです。